Never Let Me Go カズオ・イシグロ
- 作者: Kazuo Ishiguro
- 出版社/メーカー: Faber & Faber
- 発売日: 2011/12
- メディア: ペーパーバック
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終始キャシーの視点、キャシーの内省で描かれているのに終始もったいぶっているのは、構成上の意図なのか、表現上の意図なのか。
容易に心を明かさないキャシーに対する周囲の目はきっと、なんだか偉そうな奴、なんだと思うけれど、静かに取り乱したりしている様子は、一人称で描くからこそ共感できること。
そういう風に見える人って、いるよなあと思ったり。余談。俺もきっと偉そうにしてるんだろうなあ。
他者を理解しようと、また自分の心を理解しようと努めつつ、本当は自分のことをわかってもらいたい。でも心を預けようとするには自制が働きすぎる。
また、そういう風に自分を留保しているうちは、芯から他人に共感することもできないのじゃないか、という気がする。
傷つかないように、というより、傷ついてもまだ大丈夫なようにありたい。